相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて

確定申告相談会場

 

カワウソ

今日から確定申告相談会場に配置かー。くそだる。

 

先輩職員

くそだる。

 

相談者

今日から確定申告期間開始か!納税意識が高揚してきた!よし、相談にいこう!

こんにちはよろしくお願いします!実は昨年借りた土地にアパートを建てて賃貸経営を始めました。土地の賃借料を払ってるのでこれも経費にできますよね!

 

カワウソ

借りた土地って誰から借りたの。

 

相談者

父親の兄から借りています!無職独身、同居していて実質わたしが養ってます!

 

カワウソ

いくら。

 

相談者

え?

 

カワウソ

金はいくら払ってんの。

 

相談者

(この人ちょっと会話の仕方雑では?他の職員の方に代わって欲しいなあ。。)

えっと、一応親類なんでおまけしてもらって年間30万円です!

 

カワウソ

土地の場所と面積。

 

相談者

え?

 

カワウソ

借りてる土地の場所はどこ?その土地の面積はどんぐらい?権利金は払ってる?

 

相談者

えー、場所は東京都江戸川区、面積は250㎡くらいです。。権利金てなんですか?

 

カワウソ

経費っていうか贈与になるんじゃないですかねー。贈与税は担当違うんで最初から並び直してください。そんじゃ。

 

相談者

ちょっとあなた最初から対応雑すぎませんか!上司を出してください!

 

解説

事業から対価を受ける親族がある場合の必要経費の特例(所得税法56条)

不動産経営等に関係して生計を一にする親族に支払ったお金は、必要経費に算入されません。また、その場合お金を受け取った親族の所得にもなりません。

 

相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて(直資2-58

土地を借りて貸家を建てている場合、土地所有者に対して支払っている地代の金額によっては、土地の所有者から土地の借主に対して贈与があったものとして取り扱われます。

実際の地代=相当の地代の場合

借主に借地権が発生します。しかし、対価の支払いがあるので贈与はないものとして取り扱われます。

相当の地代>実際の地代>通常の地代の場合

借主に借地権が発生します。そして、借地権の価値に対して支払われる地代が安いので差額は土地所有者から借主へ贈与があったものとして取り扱われます。

なお、借地権設定による利益は、実際の地代が相当の地代に比べてどれだけ安いかによります。実際の地代が相当の地代に近ければ近いほど設定による利益は零に近づき、実際の地代が通常の地代に近ければ近いほど借地権設定による利益は借地権価額(自用地としての価額×借地権割合)に近づきます。

固定資産税>=実際の地代の場合

使用貸借とみなされ、借主に借地権は発生しません。したがって、贈与税の課税関係も発生しません。

相当の地代とは

・権利金の支払いなし(親族間取引等)
・土地全体の使用料
・相当の地代=自用地としての価額×6%

通常の地代とは

・権利金の支払いあり(第三者間取引)
・底地使用料(借地権は権利金で購入)
・通常の地代(年額)=自用地としての価額×(1-借地権割合)×6%